【姿勢と呼吸の深い関係】ピラティスで学ぶ姿勢分類と呼吸への影響

皆さんはこのように感じたことはありませんか。

よい姿勢を意識すると、余計に息苦しく感じる。

深呼吸をしたときに首や肩の力がどうしても入ってしまう。

『姿勢を正すと息苦しさを感じる。』『深呼吸したときに首や肩に力が入ってしまう。』そう感じている方も多いのではないでしょうか。私の臨床経験からも、猫背や反り腰に悩む方をみていると呼吸が浅くなっている方が非常に多いです。

実は、姿勢と呼吸は密接な関わりがあります。猫背になると、お腹がぎゅっと固まってしまい胸郭の動きが制限されやすくなります。一方で、反り腰の方は腹筋に力が入らなくなり、胸郭の動きを引き出すことができない状態となります。現状の姿勢を理解することは、呼吸のパターンを理解するのに役立つのです。

そこで本記事では、理学療法やピラティスで用いられる「ケンダルの姿勢分類」をもとに、姿勢のタイプごとに呼吸にどんな特徴が出るのかを分かりやすく解説します。自分の姿勢タイプを理解することは、呼吸を整え、不調を予防する第一歩となります。ぜひ最後までお読みください。

目次

姿勢と呼吸のつながりとは

呼吸には、主に3つの機能が備わっています。

  • 酸素と二酸化炭素のガス交換
  • 体幹安定性の維持向上
  • 自律神経、循環系の調節

呼吸というのは、酸素と二酸化炭素のガス交換だけでなく、体幹を安定させたり、自律神経や循環系の調節を行ったりしています。適切な呼吸が行えない状態では、姿勢は悪くなる一方です。ここで、“適切な呼吸”を行なうための大切なポイントを2点お伝えします。

  • 横隔膜と骨盤底筋が並行であること
  • 腰部多裂筋と腹横筋が緩まず働いていること

横隔膜と骨盤底筋が平行であることが、腹腔内圧を高めるための最重要ポイント。横隔膜と骨盤底筋が平行でなくなってしまうと、腹腔内圧を高めることは難しくなります。

さらに大切なことが、多裂筋と腹横筋がゆるまず働いていること。多裂筋はからだの後ろのフタ、腹横筋はからだの前のフタだと考えてください。腹腔内圧を高めるためには『前後』のフタが適度に力が入っていることで、腹圧が抜ける可能性を減らすことができます。

『注射器』をイメージしていただくと理解しやすいです。前後の壁が安定しているからこそ、ピストンを押したときに腹腔内圧を高めることができます。

『注射器』をイメージしてください。前後の壁が安定していて、上下の向きが並行で揃っているからこそ圧力を最大限高めることができます。

次項では、ケンダルの姿勢分類に基づいて、それぞれの呼吸の特徴について解説します。

ケンダルの姿勢分類と呼吸の特徴

姿勢分類として有名なのが、“ケンダルの姿勢分類” です。この分類を元に解説を進めていきます。

正しい姿勢では、横隔膜と骨盤底筋が水平に整っており、腹筋と背筋の筋肉も適正に働いています。息を吸ったときに、横隔膜が下降して骨盤底筋にまっすぐ圧力がかかるため、腹腔内圧も適切に保たれます。

一方で。

  • ロードシス
  • カイホロードシス
  • フラットバック
  • スウェイバック

これらの姿勢の場合、横隔膜や骨盤底筋の配列が整っておらず、腹腔内圧が不安定となります。

ロードシス

ロードシスは、反り腰が強いため “骨盤底筋が大きく前に傾いた” 状態です。腹横筋の力も抜けているのがこの姿勢の特徴。そのため、呼吸するたびに腹腔内圧が “前方へ逃げる” ため、呼吸するたびに反り腰が強化されてしまいます。

カイホロードシス

カイホロードシスは、“猫背と反り腰が複合した” 状態です。胸椎が過度に丸まることで横隔膜は前方に、腰椎の過度な前弯により骨盤底筋も前方へ傾きます。腹横筋の力が抜けているのも、この姿勢の特徴。そのため、呼吸するたびに腹腔内圧が “前方に” 逃げるため、反り腰も強化されてしまいます。

フラットバック

フラットバックは、“背骨がまっすぐすぎる” 状態であり、背骨のS字カーブが消失しています。腰椎が後弯することで骨盤底筋が後ろへ傾いてしまいます。背筋である多裂筋の力が抜けているのも、この姿勢の特徴。呼吸するたびに腹腔内圧が “後方に” 逃げるため、姿勢も丸まりやすくなります。

スウェイバック

スウェイバックは、“胸部が後ろに、殿部が前にずれた” 状態です。そのため、息を吸ったときに生じる横隔膜からの圧力を、骨盤底筋へまっすぐ伝えることができません。腹筋である腹横筋の力が抜けているのも、この姿勢の特徴。体の筒自体も “斜め”のため 、呼吸たびに腹腔内圧が “後ろ” へ逃げて姿勢も丸まりやすくなります。

姿勢を把握することで、“呼吸があなたの姿勢に与える影響” を想像できるようになります。一度、鏡をチェックしていただき、あなたの姿勢が何に近いのか確認してみましょう。

まとめ|自分の姿勢タイプを知ることが呼吸改善の第一歩

姿勢を改善するためには“自分の姿勢”が何に該当するのかを考えることが大切です。深呼吸しながらも、姿勢を整えていくためのエクササイズやマッサージを行なうことで、姿勢や動き、痛みは確実に変化していきます。

  • 正しいニュートラル姿勢
  • ロードシス
  • カイホロードシス
  • フラットバック
  • スウェイバック

あなたの姿勢は何に該当するでしょうか?

姿勢だけで全てが分かるわけではありませんが、今のあなたの姿勢を把握しておくことで、“呼吸があなたの姿勢に与える影響” を想像できるようになりますよね。

姿勢が崩れている状態では、良い呼吸をできるわけがありません。良い呼吸ができなければ、姿勢はどんどん崩れる一方です。肩や首に力が入ったり、呼吸に息苦しさを感じるのも当然です。

『呼吸に息苦しさを感じている。』
『体の力が抜けなくて困っている。』

そのようにお困りの方は、一度Phys Roots Pilatesにご相談ください。お悩み解決に向けて、共に伴走させていただきます。下記の公式LINEからお気軽にお問い合わせください。ここまでご覧いただきありがとうございました。

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